不安の軽減にヨガが有効か

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不安の軽減にヨガが有効か

全般性不安障害(GAD)を抱える人たちの不安は、ヨガ(クンダリニーヨガ)により軽減され得るとする研究結果を、米ニューヨーク大学(NYU)ランゴン・ヘルスのNaomi Simon氏らが報告した。ただし、GADに対する心理療法の第一選択肢になっている認知行動療法(CBT)ほどの効果は認められなかったという。研究結果の詳細は、「JAMA Psychiatry」8月12日オンライン版に発表された。

この研究は、226人のGAD患者(平均年齢33.4歳、69.9%が女性)を、クンダリニーヨガ(ヨガ群、93人)、CBT(CBT群、90人)、ストレスマネジメント教育(対照群、43人)のいずれかによる治療を受ける群にランダムに割り付け、GADに対するそれぞれの治療効果を比較検討したもの。各治療は、4〜6人のグループに分けられた対象者に、2人のインストラクターが1回あたり120分のセッションを週に1回、合計12回実施し、同時に、自宅で毎日20分の自習も行うというものだった。治療効果については、治療開始の12週間後に、Clinical Global Impression-Improvement Scale(CGI-I)で評価し、「改善した」あるいは「顕著に改善した」となった場合を「治療効果あり」とした。

その結果、治療開始から12週間後に治療効果ありとされた人の割合は、CBT群(70.8%)とヨガ群(54.2%)の方が、対照群(33.0%)よりも高く、GADのファーストライン治療としては、従来通りCBTが望ましいが、研究開始から12週間の間は、ヨガの効果もストレスマネジメント教育を上回ることが明らかになった。さらに、Simon氏らが6カ月後まで追跡したところ、治療効果が認められた人の割合は、ヨガ群や対照群に比べて、CBT群で、有意に高い水準が維持されていた。

これらの結果を受けてSimon氏は、「GADは、日常生活に支障をきたす慢性疾患だが、多くの患者は治療を受けようとしないか、治療にアクセスできていない。GADに対しては、既に複数の治療法があるが、治療を受けるための障壁を乗り越えるには、さらなる治療選択肢が必要だ」と指摘。その上で、「最も望ましい治療法であるCBTを受けられない患者には、ヨガが選択肢の一つになる。ヨガは身近でリスクもほとんどなく、不安に対して少なくとも短期的な効果が期待できるからだ」と説明している。

またSimon氏は、この研究ではテレヘルス(遠隔医療)でのヨガによる治療や、患者が自宅で自主的に行うヨガについては検討されていないが、「ヨガが有害な作用をもたらす可能性は考えにくいため、やってみる価値はある」と話している。そして、不安軽減を目的にヨガに挑戦するのであれば、定期的に行うことが重要だとし、1日に少なくとも20分間行うことを勧めている。

米国心理学会(APA)によると、CBTは心理療法の一種で、ネガティブな考え方を自覚させて修正する治療法だ。一方、今回の研究で検討されたクンダリニーヨガは、運動(ポーズ)、呼吸への集中、マインドフルネス、すなわち瞑想の3つの要素で構成されている。Simon氏は、「他の種類のヨガでも、同様の要素が含まれていれば、クンダリニーヨガと同様の効果が得られる可能性がある」としている。

米スタンフォード大学統合医療センターのManuela Kogon氏は、Simon氏のこの考えに同意するとともに、「これらの要素を持った太極拳や気功などにも、同様の不安軽減効果が期待できるのではないか」との見方を示している。(HealthDay News 2020年8月13日)

https://consumer.healthday.com/fitness-information-14/yoga-health-news-294/feeling-anxious-yoga-can-help-soothe-you-760346.html

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